羽交い締めにして激辛カレーを食べさせる、ロール紙の芯で尻をたたく、背中や脇腹を小突く、男性教員の車の上に乗ったり車内で飲み物をわざとこぼす……etc. 神戸市須磨区の市立東須磨小学校の4人の教師による、20代の男性への異常な言動はもはや「いじめ」ではない。暴行である。 それにもかかわらず「いじめ事件」として報じられていることに、とてつもない違和感と憤りを感じています。「大臣を派遣して~~」とか「教員たちのストレスが~~」などといった問題ではなく、教員たちを懲戒免職にするくらいのレベルだと思うのです。 理由は実にシンプル。子は大人を見て育つ。子ども社会は大人社会の縮図です。子どものいじめ問題が後を絶たないだけに、今回のような暴行、傷害事件に匹敵するような行為は厳しく罰する必要がある。大人だろうと子どもだろうとダメなことはダメ。 大人たちは言います。「子どもたちのいじめをどうにかしなきゃ」と。その前に「大人社会にはびこる、いじめという名を借りた暴力などのパワハラをどうにかせよ!」 というわけで、今回は「日本社会に広がる異常な空気」について考えます。 ●「仲間外れ」「無視」「陰口」が多い日本社会 今から3年前、子どもたちのいじめ問題について議論する「第3回いじめ問題国際シンポジウム」で、衝撃的な調査結果が公表されました。 日本では「仲間外れ」「無視」「陰口」といった暴力を伴わないいじめの割合が高い――、という傾向があることが明かされてしまったのです(国立教育政策研究所調べ)。 この国際シンポジウムは1996年から始まったもので10年おきに開催されています。主催は国立教育政策研究所で、シンポジウムにはスウェーデン、オーストラリア、米国、カナダ、韓国などの教育研究者らが参加し、各国のいじめ対策の在り方についての討論が行われてきました。 件の調査結果は日本のいじめの特異性を分析するために、暴力犯罪が少ないとされるスウェーデンと比較したもので、「軽くぶつかる・たたく・蹴る」の暴力を伴ういじめの被害について比較したところ、小学6年、中学2年の男女いずれもスウェーデンが日本を上回り、特に小6男子では、スウェーデンの65.6%に対し、日本は半分の32.8%でした(「今の学期で1、2回」から「週に数回」までの4段階を合わせた経験率)。 ところが、です。暴力を伴わない「仲間外れ・無視・陰口」の被害経験率は小6、中2の男女いずれも、日本がスウェーデンより高いことが分かりました。特に小6で著しく高く、スウェーデンで21.4%だったのに対し、日本では倍以上の43.4%。日本では仲間外れなどを大人が容認する空気があり、子どもに伝わっている可能性があるという示唆が得られてしまったのです。
羽交い締めにして激辛カレーを食べさせる、ロール紙の芯で尻をたたく、背中や脇腹を小突く、男性教員の車の上に乗ったり車内で飲み物をわざとこぼす……etc.
神戸市須磨区の市立東須磨小学校の4人の教師による、20代の男性への異常な言動はもはや「いじめ」ではない。暴行である。
それにもかかわらず「いじめ事件」として報じられていることに、とてつもない違和感と憤りを感じています。「大臣を派遣して~~」とか「教員たちのストレスが~~」などといった問題ではなく、教員たちを懲戒免職にするくらいのレベルだと思うのです。
理由は実にシンプル。子は大人を見て育つ。子ども社会は大人社会の縮図です。子どものいじめ問題が後を絶たないだけに、今回のような暴行、傷害事件に匹敵するような行為は厳しく罰する必要がある。大人だろうと子どもだろうとダメなことはダメ。
大人たちは言います。「子どもたちのいじめをどうにかしなきゃ」と。その前に「大人社会にはびこる、いじめという名を借りた暴力などのパワハラをどうにかせよ!」
というわけで、今回は「日本社会に広がる異常な空気」について考えます。
●「仲間外れ」「無視」「陰口」が多い日本社会
今から3年前、子どもたちのいじめ問題について議論する「第3回いじめ問題国際シンポジウム」で、衝撃的な調査結果が公表されました。
日本では「仲間外れ」「無視」「陰口」といった暴力を伴わないいじめの割合が高い――、という傾向があることが明かされてしまったのです(国立教育政策研究所調べ)。
この国際シンポジウムは1996年から始まったもので10年おきに開催されています。主催は国立教育政策研究所で、シンポジウムにはスウェーデン、オーストラリア、米国、カナダ、韓国などの教育研究者らが参加し、各国のいじめ対策の在り方についての討論が行われてきました。
件の調査結果は日本のいじめの特異性を分析するために、暴力犯罪が少ないとされるスウェーデンと比較したもので、「軽くぶつかる・たたく・蹴る」の暴力を伴ういじめの被害について比較したところ、小学6年、中学2年の男女いずれもスウェーデンが日本を上回り、特に小6男子では、スウェーデンの65.6%に対し、日本は半分の32.8%でした(「今の学期で1、2回」から「週に数回」までの4段階を合わせた経験率)。
ところが、です。暴力を伴わない「仲間外れ・無視・陰口」の被害経験率は小6、中2の男女いずれも、日本がスウェーデンより高いことが分かりました。特に小6で著しく高く、スウェーデンで21.4%だったのに対し、日本では倍以上の43.4%。日本では仲間外れなどを大人が容認する空気があり、子どもに伝わっている可能性があるという示唆が得られてしまったのです。