「月2万円を貯める」目的でかえる“節約術”とは

「毎月2万円の貯蓄」という設定は、貯蓄をスタートする上で絶妙な数値ではないかと思います。とにかく貯蓄をスタートさせたいというケースだけではなく、プラス2万円余分に貯蓄したいという場合にも意味ある数値ではないでしょうか。

生活が苦しければ5千円でも大変なケースもあるでしょう。毎月2万円にどのような意味があるのか、2万円を捻出するためにはどのようにすればよいかを考えてみましょう。

○毎月2万円貯蓄の意味

毎月5千円が貯蓄できる限度というケースを考えてみましょう。毎月5千円の貯蓄であれば年間6万円です。もちろん6万円でもないよりはましですが、それで最低限の安心感は得られるでしょうか。1か月の生活費にも満たず、病気やケガで働けなくなっても、当面の生活費や治療費は賄えない金額です。

一方、月々2万円の貯蓄だと年間24万円になります。病気になっても1か月くらいは治療して生活もできるでしょう。突然、家電製品が壊れてしまっても、なんとか買い替えられる金額です。節約生活には冷蔵庫は必需品ですので、故障したままでは済まされません。24万円は最低限の安心が得られる金額なのです。

プラス2万円の貯蓄は年間24万円、4年で100万円近くなります。安心のレベルが数段階上がるのではないでしょうか。すでに貯蓄している分もあるでしょうし、年齢とともに給与が上がれば、次の100万円を貯める年数も短くなります。貯蓄は安心感のステップアップなのです。

過去レポートでもご紹介しましが、金融広報中央委員会による「家計と金融に関する世論調査」平成30年によると、30代・40代の希望貯蓄額は1,000万円だそうです。実態の中央値は30代500万円、40代800万円で、希望とはかけ離れていますが、いずれも最初の100万円を貯めることからステップアップしているはずです。

30代・40代が1,000万円の貯蓄を望んでいるのは、それが安心のレベルを格段に上げるからです。さらにコツコツ貯めてきた方が、たとえ1,000万円貯まったからと言って、安心して散財するとは考えられません。年齢に応じた貯蓄額を目指していくでしょう。最初の安心感が次の安心感のための貯蓄の原動力となるのです。月々2万円は、その流れに乗れるかどうかの数値ではないかと思います。

○何のために貯めるかによって節約方法は異なる