2016年に長野県南牧村の畑で、山梨県甲州市の会社員斉藤弥生さん=当時(36)=の遺体が見つかった事件で、強盗殺人などの罪に問われた神奈川県厚木市、無職武井北斗被告(25)の裁判員裁判が25日、甲府地裁(横山泰造裁判長)であり、検察側は「残虐非道で計画性が高く、更生の可能性はない」として死刑を求刑した。判決は11月8日。
起訴状によると、武井被告は16年11月、仲間3人と共謀し、斉藤さんが店長を務める貴金属買い取り店から金品を盗むため、斉藤さんを殴るなどして殺害し、店の鍵を奪ったとされる。
武井被告は、同年8月に甲府市の会社役員若宮利雄さん=当時(73)=を襲って死亡させたとして、強盗致死罪にも問われている。検察側は「いずれも金欲しさで、被害者に全く落ち度はない。その後も強盗事件を繰り返すなど反省が見られず、極刑を回避する理由はない」と断じた。
弁護側は「被告は関与した記憶がない上、客観的な証拠もない」と無罪を主張。別の窃盗事件などは関与を認めており、懲役刑が相当とした。