原告男性「実情理解して」=艦載機増加で騒音拡大―岩国基地訴訟、午後に控訴審判決

岩国基地(山口県岩国市)の周辺住民が騒音被害の損害賠償や艦載機飛行差し止めを国に求めた「岩国騒音訴訟」の控訴審判決が25日午後、広島高裁で言い渡される。原告団の1人、吉岡光則さん(73)は「爆音で未明に目が覚めることも多く、許せない」と憤る。
吉岡さん宅は基地から約1.5キロの場所にあり、航空機騒音の基準「うるささ指数」(W値)が75の区域に指定されている。テレビや音楽を楽しんでいる時だけでなく、熟睡している深夜でさえも突然爆音が鳴り響く。未明に目が覚め、「一日中気分が悪くなることもある」という。
一審の山口地裁岩国支部は、2010年5月に滑走路が沖合に約1キロ移設される前までの騒音被害に対する賠償金の支払いは命じたが、移設後は騒音が軽減されたという国の主張を認め、賠償金の対象外とする判決を言い渡した。吉岡さんは「沖合移設後も騒音は変わらない」と強調。「実情を本当に理解して判断してほしい」と訴える。
さらにここ数年、ステルス戦闘機のF35Bが配備され、厚木基地から艦載機が移駐した。吉岡さんは「うるささが増したのは間違いない」と指摘。妻の康子さん(70)も「ずっと同じ音が1時間ぐらい続き、頭やおなかに響いてすごく不愉快」と顔をしかめる。
提訴から約10年。一審判決から約4年が経過した。吉岡さんは、提訴が騒音被害や基地問題について住民が声を上げるきっかけになったと振り返る。「賠償金をもらえれば済むという問題ではない」と力を込め、飛行差し止めを強く求めている。