大雨、千葉で9人死亡 河川氾濫、土砂崩れ 福島でも1人死亡

記録的な大雨で土砂災害や河川氾濫が相次いだ千葉県では26日、新たに土砂崩れ現場から遺体が見つかるなどして3市2町で9人が死亡、茂原市で2人が行方不明となっている。同市や佐倉市などで浸水が続いており、県警や消防などは行方不明者の捜索や排水作業に当たっている。福島県相馬市でも1人が死亡、1人が行方不明となっている。
千葉県や県警などによると、死者は千葉市3人、長南町と長柄(ながら)町が各2人、市原市、茂原市で各1人。
千葉市緑区誉田(ほんだ)町では土砂崩れに巻き込まれた住宅の60代と40代の女性が死亡。同区板倉町でも住宅1棟が土砂に襲われ、60代男性が遺体で発見された。長柄町立鳥では一宮川の氾濫で流された車内から見つかった男性(88)が死亡。長南町千手堂でも冠水した道路で立ち往生した軽トラック付近で運転手とみられる男性(81)の遺体が発見された。市原市郡本では土砂と民家の間に挟まれて重傷だった女性(57)が亡くなった。茂原市八千代では川の土手で男性の遺体が見つかり、長南町岩川では男性(91)の遺体が軽乗用車から発見された。長柄町鴇谷(とうや)でも男性(54)が車ごと川に流されたと父親から通報があり、遺体が見つかった。
行方不明者2人については、茂原市内長谷で「赤いカッパを着た女性が、押していた自転車ごと川に流された」などと110番があり、同市八千代では、冠水道路で高齢男性が流されていると110番があった。

福島県相馬市によると、25日夜、勤務先から30代の息子の迎えのために外出した60代女性が行方不明となり、その後この女性とみられる遺体が見つかった。息子とも連絡が取れていない。
千葉県の26日午前の発表によると、一連の大雨で茂原市を流れる一宮川など9河川が氾濫危険水位を超えたが、同日朝までに水位が下回った。一宮川のほか市原市の養老川など15河川の16カ所で越水が確認された。
大雨による交通の乱れから、県内各地で帰宅できない人々が滞留。県内の小中学校、高校の児童・生徒1247人が25日に帰宅できず、学校に宿泊した。【宮本翔平、町野幸、高橋秀郎】