人生の墓場・拘牢省・強制労働省…省内環境改善へ

厚生労働省の若手職員が、働き方改革や省内の職場環境改善に向けた提言をまとめた。
国会議員に対する政策説明をオンラインで行えるようにしたり、深夜労働の一因とされる議員の質問通告について、事前通告が何時に行われたか記録に残すことなどを提案した。
提言したのは、課長補佐以下の20~30歳代を中心とした「若手チーム」。職員延べ2000人以上にアンケート調査を行い、その回答をもとに改善点を検討して根本厚労相に提言を手渡した。ペーパーレス化の徹底や、「暑い・暗い・狭い」と評される室内環境の見直しなども盛り込んだ。
同チームによると、アンケート調査では、現在の仕事量について「非常に多い」「多い」との回答が65%に達した。厚労省は社会保障から労働政策に至るまで幅広く複雑な分野を抱えており、「生きながら人生の墓場に入った」などと悲痛な声も寄せられたという。省内では「拘牢(こうろう)省」「強制労働省」などと自虐的なフレーズを口にする職員も少なくない。
昨年は、同省が関わる毎月勤労統計などで不適切な処理が明らかになった。同チームは、改革を実現することで不祥事の連鎖も断ち切りたいとしている。