福岡市早良区で6月に起きた車6台が絡んだ10人死傷事故で、福岡県警は29日、逆走しながら交差点に突っ込んだ乗用車を運転し、死亡した同区の男(当時81歳)を自動車運転死傷行為処罰法違反(過失運転致死傷)容疑で福岡地検に書類送検した。県警は、逆走時の速度を時速135キロ程度と確認し、事故原因を運転操作の誤りと結論づけた。
発表では、男は6月4日夜、同区の県道で車を運転し、前方の乗用車に追突後、対向車線を逆走。軽乗用車とタクシーに衝突して交差点に進入し、乗用車2台を巻き込んで歩道に乗り上げ、歩道にいた1人を含む男女8人(当時14~71歳)に重軽傷を負わせ、助手席の妻(同76歳)を死なせた疑い。
県警は事故後、付近の車のドライブレコーダーや防犯カメラの映像を解析。その結果、制限速度50キロの県道を時速約75キロで走行して最初の追突事故を起こし、軽乗用車への衝突時の時速は約135キロと判明した。交差点突入時は時速約125キロだったという。追突事故前から車線をはみ出して走行する様子も確認された。
一方、司法解剖では、事故につながる病変は確認されず、車両の不具合もなかった。県警は、男がブレーキを踏むなどの操作をしないまま、誤って事故を起こしたと判断した。