神戸市立東須磨小の教諭4人が後輩の男性教諭(25)に暴行や暴言をふるっていた問題。異様ないじめが続いた背景について、岡田裕二神戸市議は、背景に同校前校長の存在と「神戸方式」と呼ばれる人事制度があると指摘する。この一般には理解しがたい独特の採用方法がモンスター教諭を生み、のさばらせることになった。それとともに教諭を監督する立場である教育委員会の姿勢にも疑問が渦巻いている。
「そもそも神戸市立の学校では、教員の異動が校長間の話し合いによって決められる『神戸方式』という独自の人事制度がある」と岡田市議。今回、主犯格とされた40代の女性教諭もこの神戸方式で東須磨小に赴任してきたという。岡田市議は「この女性教諭は今年4月に異動した前校長のお気に入りとされ、周囲の教員も従わざるを得ない空気があったようだ」と続ける。
岡田市議はその前校長と神戸市教育委員会の関係が「最大の謎」だという。「当時教頭だった前校長が、いじめの被害に遭った男性教諭にパワハラを行ったとして、2017年11月や18年1月に市の相談窓口への通報もあった」という。
にもかかわらず、「パワハラへの通報に対する処分などはなく、今年4月には校長として別の小学校へ栄転した。なぜ市教委は前校長をかばっているのか」と岡田市議は首をかしげる。
前校長は、いじめ問題の発覚後に一部メディアの取材に「いじめには気付かなかった」と釈明、今月18日には「12月末日まで療養加療が必要」と診断されたとして長期の休養を発表している。
「前校長には、市議会への参考人招致も求めたが、体調不良を理由に応じることはなかった」と岡田市議。「いじめの加害者である男性教諭の1人は、18年に東須磨小に赴任した当初、『おそろしい学校だ』という印象を受けたといい、被害者の男性教諭をかばう一面もあった。しかし、最終的には朱に交わってしまった」という。
長田淳教育長が神戸方式を廃止すると明言したが、岡田市議は「今後も前校長と市教委の解明などについて、実態の解明を続けたい」と語った。
責任の所在は明確になるのか。