寺から新たな魅力発信=神戸・有馬温泉〔地域〕

神戸市の有馬温泉観光協会は、歴史とグルメをテーマにした寺巡りを有馬の新たな魅力として提案している。堂内でのカフェや寺の歴史解説、中国風精進料理「普茶料理」の提供など、三つの寺院によるそれぞれの特長を生かした取り組みが目玉だ。
温泉街の一角、寺社が並ぶ寺町にある念仏寺は、江戸期作庭の庭にある沙羅双樹の大樹で知られる。この庭に面した一室に今夏「茶房citta(チッタ)」をオープン。名物は前住職の妻永岡順子さん(65)が作る特製ドライカレーだ。
水を一切使わず6時間煮込む。もともと家庭用だったが、檀家(だんか)衆に出したところ、評判が広まったという。予約すれば、本堂で仏の絵を筆でなぞって仕上げる「写仏体験」もできる。
念仏寺から道一つ隔てた極楽寺は、たびたび有馬温泉を訪れた豊臣秀吉が築造した湯山御殿の遺構が発見されたり、蒋介石の書があったりすることで知られる歴史の寺。不定期だが、歴史に詳しい檀家による寺宝の解説がある。
奈良時代建立とされる有馬最古の寺、黄檗(おうばく)宗の温泉寺では珍しい普茶料理のコースが予約制で味わえる。自ら腕を振るう浅野英俊住職(64)によると、普茶料理とは「中国風の精進料理」。コースはジャガイモの酢の物や豆腐を使ったうなぎ蒲焼もどきのほか、揚げ物もあり、かなりのボリューム。もちろん欧米に多いベジタリアンでも食べられる。
本尊の薬師如来像の前では、浅野住職の指導で座禅体験も実施している。
有馬温泉観光協会の金井啓修会長は「今まで観光面で活用されていなかったお寺を通じて、有馬の振興を図りたい」と話している。