BPO「NHK秋田の報道、問題なし」 大学教員ハラスメント処分巡るニュース

放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送人権委員会は30日、大学教員のハラスメントによる処分を巡り、NHK秋田放送局が1月に報じたニュースについて「(教員への)名誉毀損(きそん)は成立せず、放送倫理上の問題もない」とする見解を発表した。
この報道は「NHKニュースこまち845」で1月21日に放送された。番組側は、情報公開請求で入手した資料などに基づき、秋田県内の大学の男性教員が複数の学生に侮辱的発言をしたなどとして大学に処分されたと、匿名で報じた。男性は放送について「事実と異なり、名誉毀損に当たる」として謝罪を求めて同委に申し立てた。
同委は「訓告措置を受けたことは申立人も認めている」とした上で、番組には男性の個人情報は含まれず、不特定多数の視聴者が男性を特定する可能性はないと認定した。また、取材した記者が事実の正確性に迫る努力をしていたことも考慮した。【松尾知典】