都市部の高速道路の高架下スペースを民間の駐車場などとして有効活用していれば、年間9910万円の収入になっていたことが会計検査院の試算でわかった。使用を許可する独立行政法人がスペースの存在を把握しておらず、活用につながっていなかった。
独立行政法人「日本高速道路保有・債務返済機構」は、高速道路の高架下スペースについて各高速道路会社を通じて民間事業者から受けた利用希望を審査し、許可を出している。事業者の使用料は高速道路の債務返済に充てられる。
検査院は、都市部の人口集中地区にある全国1328か所(約204万平方メートル)の高架下スペースを調査。このうち、近くで駐車場や貸倉庫が運営されているなど有効活用が期待できると判断した311か所(約48万平方メートル)について、民間事業者177社に利用希望を尋ねた。
その結果、回答のあった81社のうち、51社が137か所(約20万平方メートル)について利用を希望した。137か所について路線価などに基づき使用料を試算すると年間9910万円の収入が見込めたという。
同機構は「利用希望のあった空きスペースはホームページで公表し、問い合わせを受けられるようにした。今後も関係機関と協議し、改善していきたい」とした。