萩生田氏「文科省は承知していない」…英語民間試験の延期論

萩生田文部科学相は30日午前の衆院文部科学委員会で、2020年度に始まる大学入学共通テストで使われる英語民間試験を巡る自らの発言について陳謝した。冒頭で「国民の皆さま、特に受験生の皆さまに不安や誤解を与えることになってしまった。改めておわびを申し上げます」と語った。
萩生田氏は24日、BSフジの番組で「裕福な家庭の子が回数を受けて、ウォーミングアップをできるみたいなことはあるかもしれないが、自分の身の丈に合わせて勝負してもらえれば」と発言。28日に謝罪し、29日に発言を撤回した。
萩生田氏は委員会で、英語民間試験の実施時期の延期論について問われると、「文科省としては承知していない。受験生等の不安や懸念を一つ一つ解消し、20年度からの円滑な実施に向けて全力で取り組んでいきたい」と答えた。
英語民間試験は、実用英語技能検定(英検)やGTECなど6団体が行い、「聞く・話す・読む・書く」の4技能を測る。
ただ、受験生の経済状況や居住地域により受験機会に差が生じるという懸念があり、政府内では、最短でも1年先送りした上で、経済負担の軽減や地方での試験会場の充実を図る案が出ている。予定通りの実施を求める意見も多いため、首相官邸は文科省とともに慎重に検討する考えだ。