秋田県や漁業関係者などでつくる「ハタハタ資源対策協議会」が29日、秋田市で開かれ、県魚ハタハタの漁期(9月~来年6月末)の漁獲枠を昨年の漁獲枠より150トン少ない650トンとすることで合意した。資源確保のため5年連続で1000トンを割り込み、21年ぶりの低水準となった。一方、今期沖合で漁獲量が増えていることを受けて、今後は漁獲枠拡大も視野に検討することで一致した。
ハタハタは、秋田を代表する冬の味覚で郷土料理のしょっつる鍋などの食材として重宝されている。
県水産振興センターによると、漁獲量はピークの1960年代には2万トンを超えたが、乱獲などで激減。一時100トンを下回り、92~94年は全面禁漁となった。95年以降は同協議会が自主管理の漁獲枠を設定している。
この日の協議会では同センターが、中型の2歳魚が昨年に比べて多いものの、資源の維持のため目標漁獲量は昨年の漁獲量が612トンにとどまったことから650トンと提示した。
これを受け、沖合で「底引き網漁」を行う漁業者らと、産卵のため沿岸に遊泳してきた魚をとる「季節ハタハタ漁」を行う漁業者らが協議。今年は、沖合と沿岸の漁獲枠を325トンずつとすることを決めた。
協議会終了後、県漁業協同組合(秋田市)の加賀谷弘組合長は「県漁協と県水産振興センターなどで協議し、資源管理に努めながら節度あるとり方を考えていく」と話していた。【中村聡也】