頭に10カ所、両足の裏に40カ所の傷…結愛ちゃん虐待 詳細明らかに

東京都目黒区で2018年3月、船戸結愛(ゆあ)ちゃん(当時5歳)が死亡した事件で、保護責任者遺棄致死罪に問われた母親の優里被告(27)は3日、東京地裁(守下実裁判長)で開かれた裁判員裁判の初公判で「間違いありません」と起訴内容を大筋で認めた。
警視庁によると、結愛ちゃんは亡くなる10日ほど前まで毎朝、ひらがなの書き取りを命じられ、自宅からは「もうおねがい ゆるして ゆるしてください」などと記されたノートが見つかった。初公判で検察側は、結愛ちゃんが受けた虐待の詳細を述べた。
結愛ちゃん一家は2018年1月に香川県から東京都目黒区のアパートに転居。虐待は香川に住んでいた時に始まっていたが、引っ越し後に激しさを増したとみられる。1日の食事が汁物1~2杯にとどまる日もあった。
体重は18年1月4日の時点で16.66キロ。同年齢の標準だった。しかし、亡くなった同年3月2日には12.2キロで、標準より6キロ近く痩せていた。あばらが浮き出て、頭部だけで10カ所の損傷があり、両足の裏には計40カ所の傷があった。
ほとんど外出させてもらえず、6畳間で過ごした。部屋には「しずかにあるく いきがくるしくなるまでうんどうする 4じになったらおふろそうじ」「なにをしてなんぷんかかったかをかぞえる うそをつかない ごまかさない なんでもいっしょうけんめい にこにこえがお」などと書かれた紙が張られていた。
小学校入学を控えていた結愛ちゃん。3月2日、意識不明になる直前、添い寝をした優里被告が「小学校行ったら楽しいことしようね」と語り掛けると、「うん」と笑顔で返事をしたという。結愛ちゃんの部屋からは、ランドセルと「入学のしおり」が入った手提げ袋が見つかっている。