将棋駒の産地で「将棋のまち」を掲げる山形県天童市は、将棋を題材にした人気漫画「3月のライオン」(羽海野チカ、白泉社)とコラボレーションした観光パンフレットとガイドマップを作製した。これまでふるさと納税の返礼品の記念品などでコラボ企画をしてきたが、誰もが手に取れる形での企画は今回が初めて。市の担当者は「パンフレットを機に天童に足を運んでほしい」と、将棋やマンガファンなど幅広い層の来訪に期待している。【日高七海】
3月のライオンはアニメ、映画化されるなど人気で、2014年度から始めたふるさと納税で市がアンケート調査をしたところ、「作品をきっかけに天童を知った」との回答が多く、16年度から作品とのコラボ企画を進めてきた。
パンフレットの表紙は、市役所南側の倉津川のしだれ桜を背景に、作品の登場人物が並ぶオリジナルイラスト。写真中心の従来型と異なり、白を基調とすることでイラストを際立たせ、作品のキャラクターをまんべんなく登場させて親しみやすさを出した。同時に、毎年4月に武者姿の人間を将棋駒に見立てたイベント「人間将棋」が行われる天童公園などの観光地、温泉、飲食店などの案内を両立させる工夫もした。
パンフレットはA4判、カラー刷り全10ページで約5万部、ガイドマップはA3判、両面2色刷りの二つ折りで約3万部作製。市商工観光課の担当者は「手に取った人がより楽しめるように来年度以降も工夫を重ねて続けていきたい」と話している。
パンフレット、ガイドマップは「道の駅天童温泉」や市内の宿泊施設などで入手でき、取り寄せもできる。問い合わせは市商工観光課(023・654・1111)。