百十四銀行(高松市)は31日、30代前半の男性行員が顧客の情報を漏えいし、詐欺事件に利用された可能性が高いとして、懲戒解雇処分にしたと発表した。香川県警の事件捜査過程で関与が疑われ、行内調査に対し「旧知の友人に教えてほしいと言われ断れなかった」と説明しているという。処分は28日付。刑事告発や民事訴訟も検討する。
同行によると、行員は支店勤務で営業担当。昨年11月~今年8月に数回、友人の男性に対し、3法人と14人の個人の電話番号や預金残高などの顧客情報を、行内文書の手渡しや口頭で漏らした。うち個人1人が現金をだまし取られる被害に遭ったという。
9月中旬に捜査員が支店を訪れた後、同行は行内調査と顧客への謝罪を進めていた。支店長ら上司2人は監督責任からけん責の懲戒処分とした。会見した香川亮平専務は「厳粛に受け止め、深く反省する」と述べた。