高速増殖原型炉もんじゅ 「産業博物館として残して」 立地地区の会合で意見

日本原子力研究開発機構が廃炉作業中の高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)が立地する同市白木地区が今月18日に開いた文部科学省などとの地域振興に関する会合で、もんじゅを将来、産業博物館として残すよう求める意見が出されたことが分かった。
白木公民館に地区役員らが集まり、文科省、敦賀市、原子力機構、コンサルタント会社(福井市)などの担当者と意見交換した。同省担当者らによると、地区役員からは、もんじゅの将来について「多額の国費をかけて壊すのではなく、観光などで高速増殖炉の開発過程に触れることができるよう産業博物館として残しては」との趣旨の意見が出されたという。同省担当者は「意見を本省へ報告した」としている。
もんじゅでは、原子力規制委員会が認可した廃炉計画で、2022年度までに計530体の核燃料が取り出される。最終段階の建屋と設備の解体は47年度末に終了する予定だ。費用は3750億円と試算されるが、機構関係者の間では、核燃料処理費を含む総額は1兆円を超すとの見方がある。一方、県はもんじゅ構内に試験研究炉を新たに整備するよう国に求めている。【高橋一隆】