サッカーJ3・ギラヴァンツ北九州は30日、クラブ内に「スポーツ哲学研究所」を同日付で設立したと発表した。大学の研究者らアカデミズムと連携してスポーツに関するさまざまな提言を発信し、クラブの認知度と地域文化の向上を図る。プロスポーツクラブが同種の研究拠点を設けた例は極めて珍しいという。【伊藤和人】
「地域に愛されるクラブ」への改革の一環。玉井行人社長(62)が所長に就任し、J1・湘南ベルマーレやスペイン・FCバルセロナなど国内外14のプロサッカークラブの運営に携わったスポーツ哲学研究者、島田哲夫・営業部長(57)が実務にあたる。地域におけるスポーツのあり方を中心に、パワハラやいじめなどスポーツ界が抱える問題も議論していきたいという。
同日開いた記者会見で玉井社長は「北九州には、公害問題などを克服したフロンティア精神と弱者に手を差し伸べるボランティア精神がある。その精神風土を表現できるクラブ作りには哲学が必要。スポーツとは何かを真剣に考え、クラブと地域の価値を高めていきたい」と話した。
サッカーに関心が薄い、いわゆる文化系の人々にもウイングを広げ、スポンサー獲得効果も期待する。