秋田市の陸上自衛隊新屋演習場への「イージス・アショア」配備に関する防衛省の調査資料誤データ問題で、秋田県の佐竹敬久知事は2日、防衛省側が今後行う再調査で「青森、山形県の検討は予備的位置付け」とした点について、「最初から新屋ありきで(他県の国有地を含む意味の)ゼロベースではない。最後は『やっぱり新屋』というのは話にならない」と批判した。定例記者会見での発言。県は今後、秋田市と協議の上、防衛省への申し入れなど対応を検討する。
防衛省の山野徹審議官らは8月28日、秋田、青森、山形3県の国有地など計20カ所を再調査する内容を堀井啓一副知事らに報告。佐竹知事は海外での公務で不在だった。佐竹知事は、防衛省がイージス・アショア配備の前提としてきた「住民の理解」について「口ではそう言っているが実際の行動は違う。非常に怒りを禁じ得ない」とも述べた。
一方、穂積志・秋田市長も2日開会した9月定例会本会議で、同省から住宅地などからの距離は、候補地を選定する総合的な評価の重要な考慮要素になるとの回答を得たと報告。「(防衛省による)再調査を注視し、県と協議しながら対応などを検討していく」と述べた。
9月定例市議会には、市民団体などから新屋演習場への配備計画の反対決議などを求める請願・陳情が新たに7件提出された。6月議会で継続審査となった同様の趣旨の請願・陳情7件を含め計14件が審議される予定。【森口沙織、中村聡也】