九州北部大雨 佐賀の大町町と武雄市が避難指示解除 佐賀県内は全て解除に

九州北部に大規模な冠水被害をもたらした大雨から1週間となった4日、佐賀県大町(おおまち)町と武雄市は全域を対象に出していた避難指示を解除した。これで佐賀県内の避難指示は全て解除された。
大町町は猛烈な雨に襲われた8月28日から、浸水被害や炭鉱の採掘跡にある「ボタ山」が土砂崩れの恐れがあるとして、町内全域の2736世帯、6424人を対象に避難指示を出していた。
県などが実施したボタ山の調査で崩落の拡大などが見られなかったことから、町は「直ちに危険は確認されていない」と判断。再び大雨警報などが発令された場合は避難することを条件に、4日午後3時に避難指示を解除した。鉄工所から大量の油が流出した影響などで帰宅困難な住民もいるため、2カ所の避難所の運営は続ける。
武雄市も8月28日から市内全域の1万9217世帯、4万8973人を対象に避難指示を出していたが、4日午後6時に解除した。
大町町公民館では、避難していた住民が毛布などの荷物を抱えて次々と自宅へ戻る姿が見られた。夫婦で避難していた無職、藤井博さん(73)は「眠れない日が多かったのでとにかくほっとした。少しでも早く復旧が進んでほしい」と話した。【竹林静、平川昌範】