2016年5月に17都府県の現金自動受払機(ATM)で現金18億円超が不正に引き出された事件で、福岡地裁(中田幹人裁判官)は8日、窃盗罪などに問われた男性(47)に対し「共謀成立を認定するには合理的な疑いが残る」として無罪(求刑・懲役10年)を言い渡した。
男性は指示役の男らと共謀し、偽造カード46枚を使い福岡市のコンビニエンスストアなど約70カ所のATMから計7830万円を不正に引き出したとして起訴された。
判決は、指示役が計画段階で男性に人集めに関与してもらう趣旨の発言を知人にしたものの、「実際に(男性へ)働きかけをしたか判然としない」と指摘。男性が指示役から約190万円を受け取ったとの検察側の主張についても、指示役は男性に借金があったとして「男性が窃取金の一部であることや報酬と認識したと推認するに足りない」と退けた。
福岡地検は「判決内容を精査し、上級庁と協議して適切に対応したい」とコメントした。