東京・羽田空港の国内線旅客ターミナルで6日朝から断水していた問題で、飲み水などの供給停止が続いていた第2ターミナルビルの給水が8日午後、再開した。供給される水が「しょっぱい」との通報が相次ぎ、空港への給水を国から受託する「空港施設」が急遽、水を止めて水質を確認。最終的には給水設備の水を入れ替えるなどの措置をとったが、なぜ水の塩分濃度が突然上がったのか、理由は分からないままだ。航空機の運航などに影響はなかったものの、空港施設や国土交通省は、原因究明を進めている。
「やっと水が出るようになった。早く営業再開したい」。第2ターミナルの居酒屋「黒長兵衛」店長の杉山高志さん(57)は胸をなで下ろした。
杉山さんによると、断水で営業ができなかった影響で「焼き鳥、刺し身、煮物など、かなりの量の食材が駄目になった」。店の水道から水が出るようになったのは8日午後2時前。慌ただしく再開の作業を進めながらも、「しっかりと原因解明をしてほしい」と注文をつけた。
羽田空港には東京都水道局が水を供給。水道管は、電線などと一緒に地下に埋設された「共同溝」を通って空港敷地内に引き込まれており、空港内の給水などを担う東証一部上場企業である空港施設が、水を空港内の旅客、貨物、航空機整備など各エリアに分配している。
空港施設によると、6日午前8時20分ごろ、航空機を洗う洗機場から「水から塩気を感じる」と通報があり給水を停止。第2ターミナルでも同様に供給された水に塩気があった。
詳しく調べたところ、第2ターミナルビルの店舗やトイレなどに水を供給している貯水槽4基のうち、一部から高濃度の塩分を検出。また、ビル付近の空港内の水道管の水にも高濃度の塩分が含まれていることが分かり、国内線旅客ターミナルの全域で6日午前9時ごろから給水を停止した。
第1ターミナルでは同日中に完全復旧したが、第2ターミナルは断水が続いた。飲食店は営業できず、トイレでは手洗い用の水が出ないため、水を入れたペットボトルを置いて対応した。
空港施設は、管理する給水設備の水を抜いて清掃した上で、新たに給水する作業を7日に完了。水質検査に時間を要し、8日になってようやく、安全性に問題がないことを確認した。
東京都水道局が管理する水道管から塩分は検出されておらず、空港敷地内で混入したとみられる。空港施設によると、水道管の破損は確認されず、第三者による混入の可能性も低いとみられるが、「原因は調査中」としている。
さいたま市から札幌に向かうという主婦(61)は「帰りも羽田空港を利用するので、ほっとしています。帰りがけは、お店で楽しみたい」と話した。