NHK同時配信で総務省、異例の再検討要請…「肥大化」を懸念

総務省は8日、すべての番組を放送と同時にインターネットに流す「常時同時配信」に向けて、NHKが認可申請した実施基準案について、再検討を要請した。業務の肥大化につながらないよう、「適正な規模のもと、節度をもって事業を運営することが求められる」との考えを示した。認可申請の段階で再検討を求めるのは異例だ。
NHKの常時同時配信は、今年5月に成立した改正放送法で可能になった。NHKが示した実施基準案では、常時同時配信などの費用の上限を受信料収入の2・5%に抑制する一方、国際放送番組の配信や東京五輪・パラリンピック関連など、公益性が高い4業務を別枠で管理するとしていた。NHKは従来、こうした業務を含めてネット配信関連の費用としており、上限を2・5%と定めてきた。
これに対し、総務省は、別枠管理分を含めた費用を総計すると、NHKのネット関連の費用は受信料収入の3・8%に相当すると指摘。「現行の実施基準と比較して著しく増加し、全体の事業収支を悪化させる」と懸念した。
高市総務相は8日の閣議後記者会見で、常時同時配信などネット関連事業について「受信料を財源として行われるので、(経営)改革をしっかり進めていただいたうえで、真に必要なものを見極めていただく」と述べた。
総務省はまた、19年3月末時点でNHKの繰越金が1161億円に上るなど財政的な余裕があることも問題視し、「既存業務全体の見直しを徹底的に進め、適正な水準の受信料の在り方について検討が必要」とした。
NHKは、「(総務省の要請内容を)精査し、しっかりと検討する」としている。
総務省はNHKに対し、12月8日までの再検討を求めた。今月9日~12月8日に一般からの意見募集も行い、認可の可否を判断する。NHKは19年度中の常時同時配信の実施を目指しているが、同省の結論は年明け以降にずれ込む可能性もある。