「1票の格差」が最大3・00倍だった今年7月の参院選は憲法が定める投票価値の平等に反するとして、福岡、佐賀、長崎、熊本、大分の各選挙区の有権者が選挙無効を求めた訴訟で、福岡高裁(西井和徒裁判長)は8日、「合憲」と判断して、請求を棄却した。原告側は即日控訴した。
二つの弁護士グループが全国14の高裁・高裁支部に起こした16件の訴訟で、判決は12件目。これで「合憲」が10件、「違憲状態」が2件となった。
今年の参院選は、埼玉選挙区で定数を2増して2016年参院選で最大3・08倍だった格差を縮小させており、判決は「さらなる投票価値の差の是正を志向したもの」と評価した。
今回の是正が、15年改正公職選挙法の付則が求めた「『選挙制度の抜本的見直し』に当たるとまでいうことは困難」とする一方、付則は是正の方向性や立法府の決意などを示したもので必ず実現することまで約束したとは解せないと指摘。「違憲の問題が生じる程度の著しい不平等状態にあったとはいえない」と結論付けた。【宗岡敬介】