9月の台風15号で千葉県に被害が出るなか、災害対策本部長でありながら県庁を離れ、公用車で自宅周辺に向かっていた森田健作知事(69)。「私的視察だった」との釈明に異を唱えるのが、巨人の長嶋茂雄終身名誉監督(83)のものまねで知られるタレントで同県議のプリティ長嶋氏(65)だ。議会での知事の発言と矛盾があるとし、「改めて謝罪会見を開くべきだ」と直言する。
■「改めて謝罪会見を」
千葉県出身の長嶋氏はタレント活動のかたわら、2007年に市川市議に当選。拓殖大大学院で政治を学び、11年に県議に転じて現在3期目。
防災士の資格を持ち、県議会では総務防災常任委員会に所属する長嶋氏は、「茂原市を視察したが、災害ゴミの山を見て、現場の大変さを肌で感じた」と話す。それだけに、7日の森田知事の記者会見を「大失敗だ」と指摘、会見の様子を「議会答弁でも見たことがない」と違和感を覚えたという。
「水を頻繁に口に含む。コップを持つ手も震えている。口の周りを舌なめずりする。体をやたらあちこち触る。体調が変なのか、心理的に追い詰められているか、どっちなのかと思った」
台風15号が通過した翌日の9月10日の知事の動向は、10月の県議会の委員会でも取り上げられていた。県秘書課は、森田知事が県東部の富里市方面への視察に行っていたと説明したが、森田知事は記者会見で初めて、芝山町の自宅に立ち寄ったことを明かした。
「公用車の運転日誌にも書かず、説明も(議会と)違うことを言っている。議員に不正確で確信のない発言をしてはいけない」と苦言を呈した長嶋氏。「なぜ自宅に行ったことをはぐらかしたのか。なぜ富里市に行ったのか。時間的制約があるなら(県庁からの距離がより近い)市原市で被害が出ているのに、理論的におかしい」と話す。
森田氏が知事選に出馬した09年の選挙では、市川市議として別候補の応援に回ったという長嶋氏。県議当選後も当初は批判的に見ていたが、徐々に印象が変わっていたという。「東京湾アクアラインの通行料金800円への値下げは地域活性化の起爆剤になっている。移動交番車へのAED(自動体外式除細動器)搭載や警察官への救命講習などもすぐやってくれた」と評価する。
■「行政が滞り、復旧・復興が遅れる」
ただ、今回の会見を見て、「再び評価が変わった」と長嶋氏。視察問題が波紋を広げていることで、「行政機能が滞り、被災者救済と復旧・復興が遅れてしまう。知事は謝罪会見を開いて、認めるべきところは認めて真相を語り、『千葉県で一丸となり、任期残り1年4カ月、全力でやります』と宣言しないと終わらないと思う」と強調する。
知事、どうでしょう。