即位パレード スマホ向ける沿道は「関係近づいた証し」

秋晴れの青空のもと東京都心で10日に行われたパレード「祝賀御列(おんれつ)の儀」。オープンカーから笑顔で手を振り続けられた天皇、皇后両陛下の姿を、同級生や恩師らも沿道やテレビ中継で見守った。
学習院大時代に日本中世史のゼミと音楽部で陛下の後輩だった竹内尚子さん(59)は約10人の仲間とおそろいの白いベレー帽をかぶり、皇居の目の前にある二重橋前交差点で車列を待った。
帽子を合わせたのは、ゼミ同窓生の今年の新年会で、即位直後の一般参賀でどうすれば陛下に気付いてもらえるかという話題になった際に、陛下から「ベレー帽は目立ちますよ」と聞いたことがきっかけだった。目立つ白色にして、一般参賀に続いてこの日もそろえたという。
通り過ぎる陛下の姿が見えたのは一瞬だったが、竹内さんは感極まった様子で「生まれながらの象徴天皇として、あり方を悩まれた時期もあったと思うが、この日を迎えられた。令和もいい時代になると思う」と期待した。
音楽部で同級生だった山田ゆかりさん(61)も「集まった人たちに祝福される姿を見られて幸せ」と話した。陛下は即位を機に卒業生による定期演奏会に出演しなくなったが、昨年末の演奏会後に「これまでご一緒できてうれしかった」とのメッセージが寄せられたという。
皇后雅子さまの小学校時代の恩師、岸田泰則さん(70)はパレードをテレビ中継で見た。時折、涙をぬぐう皇后さまの姿に「結婚以来困難な時もあったので、感極まったのだろう」と思いやり、「小さい時から何にでも分け隔てなく接する人柄は変わっていない。陛下の理解もあり、公務をこなしていくことに何の心配もしていない」と話した。

一方、陛下と同い年のコラムニスト、中森明夫さん(59)は「両陛下の表情には優しさが前面に出ていた」との印象を語った。沿道で大勢の人がスマートフォンを向けている光景に「平成への代替わり時はカメラがあっても『陛下に向けるのは』という雰囲気があった。上皇ご夫妻の30年間の歩みの中で、皇室と庶民の関係が近づいた証しだろう」と分析した。
皇室ジャーナリストの渡辺みどりさん(85)は皇后さまの様子に注目した。日本テレビ在籍時の1959年に上皇ご夫妻の結婚パレードを取材し、上皇后美智子さまの表情を追った経験がある。テレビ中継で見た皇后さまについて「堂々とされていて、ほおから襟足がとても健康そうに感じた」と話した。
皇后さまは療養生活が続く一方、5月以降ほぼ全ての公務に臨んでいる。渡辺さんは「パレードを見た多くの人が改めて安心したと思う」と話した。【稲垣衆史、和田武士】