交際状況、妊娠…相次ぐ、ひとり親への窓口ハラスメント

低所得のひとり親家庭に支給される児童扶養手当の更新審査をめぐり、ひとり親を支援する全国団体が5日、厚生労働省に窓口対応の改善を求める要望書を提出した。
年1回の審査の際、受給者が市区町村の職員から異性との交際状況などを詳細に聞かれるケースが相次いでおり、プライバシーに配慮した統一的な対応マニュアルの策定などを求めている。
更新審査は毎年8月にあり、対象者は原則、市区町村の窓口に出向いて「現況届」を提出する必要がある。この際、職員が異性との交際状況や自宅への訪問の有無、妊娠の有無などを詳細に尋ねる自治体がある。
要望書を提出した「シングルマザーサポート団体全国協議会」は「高度なプライバシーに属することで、他の職員や市民がいる場で聞かれることは苦痛であり、セクシュアルハラスメントとなる行為だ」と指摘。厚労省に対し、市区町村の対応の実態を把握することや、全国統一の窓口対応マニュアルを策定すること、「窓口ハラスメント」をなくすための職員研修を行うことなどを求めている。
厚生労働省も昨年と今年8月の2度にわたり、自治体にプライバシーへの配慮を求める文書を出してきたが、対応に変化がない自治体も多いという。赤石千衣子代表は「ひとり親が窓口での相談をためらい、孤立することを防ぐためにも、もう一歩踏み込んだ対応が必要だ」と話した。(伊藤舞虹)