工藤会 本部事務所の売却で被害者賠償へ、約4000万円

北九州市小倉北区にある特定危険指定暴力団「工藤会」の本部事務所の売却で、福岡市の民間事業者への売却額1億円のうち、事務所の解体費用などを除いた約4000万円が工藤会関係者による事件の被害者賠償に充てられることが、関係者への取材で判明した。12日に正式な売買契約が結ばれ、解体工事は今週末にも始まる見通しとなった。
本部事務所の売却を巡っては、固定資産税の滞納で差し押さえている北九州市と工藤会側、福岡県暴力追放運動推進センター、購入意向がある民間事業者で9月に合意。事務所をいったん購入するセンターが、売却益から解体費用や固定資産税の滞納分など必要経費を除いた分を管理し、一般人襲撃事件で損害賠償訴訟を起こした被害者の賠償に充てることを申し合わせた。
市、工藤会側、センターの3者で必要経費の精査を進めており、被害者救済に充てる額が初めて判明した。売買契約は、センターが工藤会側、事業者とそれぞれ結ぶ予定。
殺人や組織犯罪処罰法違反(組織的殺人未遂)などの罪に問われた工藤会トップの野村悟(73)、ナンバー2の田上不美夫(63)両被告は既にセンターとの売買契約書に署名。センターが12日に開く理事会で承認されれば契約は成立する。工藤会側は13日にも、本部事務所から荷物を運び出す予定だ。
本部事務所の解体工事は3カ月程度かかる見込みで、更地にした後、今年度内に事業者に引き渡される。関係者によると、事業者は跡地利用について「市のためになる使い方を考えたい」としているが、自社で使う考えはなく、跡地活用に乗り出す業者を探す方向で検討するという。