運転免許の自主返納が東京都内で急増 池袋の事故後は前年同期8割増

東京・池袋で4月、近くに住む主婦、松永真菜さん(当時31歳)と長女莉子ちゃん(同3歳)が乗用車にはねられ死亡した事故が起きて以降、都内では運転免許証を自主返納する人が急増している。警視庁によると、4~10月の返納者は4万2252人で、前年同期の2万3473人と比べ8割も増えた。
2018年の返納者は月に3000~4000人前後で推移したが、今年は事故翌月の5月に5759人と月間の過去最多を記録した。数は増え続け、10月は6931人が免許を返した。1~10月の返納者は5万3690人で、過去最多だった17年1年間の4万6289人を既に上回っている。今年の約9割が65歳以上だった。警察は全国の数字は月ごとには集計していない。
警察庁によると、昨年発生した75歳以上の運転者による全国の死亡事故は460件で、全体に占める割合は過去最高の14.8%に上った。3割がブレーキやアクセルの踏み間違えなど操作ミスだった。
池袋の事故後も高齢者による事故が起きている。6月には福岡市早良区で男性(81)のワゴン車が多重衝突事故を起こし、同乗の妻(76)とともに死亡した。男性は事故前、周囲に免許返納を相談していたという。
政府は公共交通機関の利便性向上や「相乗りタクシー」整備などを緊急対策として打ち出した。ブレーキの踏み間違えを防ぐため、急加速防止機能がある「安全運転サポート車」のみ運転できる限定免許制度の創設も検討されている。【山本有紀】