8000万円脱税、ボクシング元チャンプ所属ジムの後援会長ら逮捕

法人税約8000万円を脱税したとして、神戸地検特別刑事部は14日、法人税法違反容疑などで、兵庫県三木市の土木建築会社「神和商事」前社長、神行(かんぎょう)武彦(59)と長男で元役員、勇也(36)の両容疑者=いずれも同市別所町東這田(ほうだ)=を逮捕し、大阪国税局と合同で関連先を家宅捜索した。地検は、認否を明らかにしていない。
関係者によると、武彦容疑者は、ボクシング3階級制覇の元世界王者、長谷川穂積氏が所属していたジムの後援会長を務めていた。
さらに同社では昨年、元経理担当者の女に約1億円を着服される横領事件が発覚。女が着服したとされる金で建てた家は外壁にミッキーマウスがあしらわれていたことから「ミッキーハウス」と報じられ、武彦容疑者は被害者としてテレビ出演するなどし、女の不正を繰り返し訴えていた。
武彦容疑者ら2人の逮捕容疑は、平成30年4月までの4年間、建物の解体工事で生じる鉄くずのスクラップを売却した一部を本来の売り上げから除外する手口で、法人所得3億4700万円を隠し、法人税8700万円を免れたとされる。
武彦容疑者は今年9月に同社社長を退任した。関係者によると、ジムの後援会長のほか、兵庫県建設業協会(神戸市)の理事を務めるなど地元の名士として知られていた。勇也容疑者は1月に役員を退任した。
神和商事は平成元年に設立。土木工事や解体工事業を手掛け、30年4月期の売上高は約16億6000万円。