桜を見る会中止 疑念の払拭へ政府は襟を正せ

疑念を招き、開催基準を見直すことになった以上、来年度の中止はやむを得まい。安倍内閣は襟を正さねばならない。
政府は首相主催の「桜を見る会」について、来春の開催を見送ると表明した。菅官房長官は記者会見で、「招待基準の明確化やプロセスの透明化を検討したい」と語った。
桜を見る会は、各界で功績や功労のあった人々を招いて慰労するのが目的である。
開催要領によると、皇族、各国大使、衆参両院議長、国会議員、知事らに加え、「その他各界の代表者等」を対象者としている。経費は国の予算から支出される。
安倍内閣の下で、規模は拡大してきた。5年前に約1万3700人だったのが、今年は約1万8200人が参加した。支出額も約3000万円から約5500万円に増えた。「代表者等」の名目での招待者が膨らんだのだろう。
野党は、安倍首相が地元後援会員らを多数招待していると指摘し、「公的行事の私物化だ」と批判を強めている。
首相は人選への関与を否定したうえで、「地元の自治会やPTAなどで役員をしている方と、後援会に入っている方が重複することもある」と説明している。
公私の区別が曖昧になっていたとすれば問題だ。節度を欠いていたとの批判は免れまい。長期政権ゆえの緩みが背景にあるのではないか。首相は自らを律し、政権運営にあたるべきだ。
内閣府は、今年の招待者の名簿を廃棄したと答えた。公文書管理の観点から手続きが適正だったかどうか検証する必要がある。
首相の後援会は、桜を見る会の前日夜に会合を開いてきた。野党は、首相が代表を務める政治団体の政治資金収支報告書に記載がないとして問題視している。首相側には説明責任が生じよう。
桜を見る会は、皇室主催の観桜会が前身である。戦後は首相が招待する形式に変更され、1952年に始まった。東日本大震災直後の2011年などを除き、毎年春に開かれてきた。10年には民主党の鳩山政権下で行われた。
政財界に限らず、その時々に文化やスポーツなどで活躍した人をたたえる意義はあろう。
政府は、招待者の人選にあたっては、首相、正副官房長官のほか、与党にも推薦枠を設けている。
長年の慣行にとらわれずに、招待者の範囲や人数、予算規模などを抜本的に見直し、不信感を

払拭
( ふっしょく ) することが求められる。