4月の大阪市議選で車上運動員(女性アナウンス係)の手配を依頼し不正に報酬を払ったとして、公職選挙法違反(買収)の罪に問われた市議、不破忠幸被告(53)=大阪維新の会を離党=に対し、大阪地裁(中川綾子裁判長)は6日、懲役1年・執行猶予5年(求刑・懲役1年)を言い渡した。
判決が確定すれば、不破被告は失職する。弁護側は「報酬にはコンサルタント料も含まれていた」と無罪を主張していた。
判決は、運動員の日当だと示す見積書などが残っている点を重視し、報酬が法定上限を超えると被告が認識していたと判断。「被告は不合理な弁解に終始し、反省の態度が見られない」と批判した。
判決によると、不破被告は4月2日、選挙運動を手伝っていた自営業の男性(59)=罰金刑が確定=と共謀し、車上運動員を手配する報酬として会社役員の女性(65)=同=の口座に72万円を振り込むなどした。
市議会事務局によると、不破被告は6月の保釈後も「体調不良」などとして本会議や委員会視察を全て欠席。判決後も報道陣の質問に答えず立ち去った。
市は同月、市議が逮捕・勾留された場合に議員報酬などの支給を止めるよう条例を改正。しかし、さかのぼっては適用されないため、被告が辞職か失職しない限り報酬(月約77万円)と半年ごとの期末手当(約200万円)が支払われる。【戸上文恵、藤河匠】