インド・ムンバイ市 大雨や洪水等災害対策に日本の首都圏外郭放水路の導入を検討(参照:三井住友建設(株) カンボジアでの上水道拡張整備工事を落成)
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インドのムンバイ市政府が、大雨や洪水等の災害対策として、日本の首都圏外郭放水路を参考にした水路の導入を検討していることが分かった。9月9日に関係会議に提案されたことをタイムズ・オブ・インディア紙が報じている。
ムンバイ市政府は、北部にあるビハール湖とトゥルシー湖の周辺にタンクとなる大型地下施設の建設を検討している。毎年モンスーンの時期には、ビハール湖とトゥルシー湖に大量の雨水が流れ込み、流出河川の氾濫が起きている。流出河川であるミティ川はムンバイを縦断しており、河川の氾濫だけにとどまらず、建造物の倒壊による人的被害、道路の冠水により市街地の交通まひなど、人的・経済的にも被害が大きい。
同時に、インドではモンスーンの時期に先1年分の飲料水や農業用水の確保が必要とされ、水インフラの構築は長年の重要課題となっている。今回ムンバイ市政府が検討している日本の首都圏外郭放水路は、洪水時に東京や埼玉での複数の河川の水の一部を水量に余裕のある江戸川へ流すというもので、地下放水路としての規模は世界最大級とされている。
大規模な地下施設の整備だけでなく、付随する各種設備を含めた管理システムなどの整備も必要となる。課題は残されているが、完成すれば、ムンバイ市の災害被害を抑えられる対策として期待されている。