シベリア抑留者の遺骨を厚生労働省が外国人のものと取り違えた問題に絡み、厚労省は15日、フィリピンで2008~10年度の3年間に収容した戦没者約1万5000人分のうち、鑑定を実施した10人分についても全て日本人のものではなかったと発表した。約8年前に専門家から「日本人の遺骨ではない」と指摘されたが、シベリアと同じように事実上、放置していた。今後、再鑑定する方針。
厚労省によると、DNA鑑定で個人の身元特定が可能かどうか調べる目的で10人分の歯を持ち帰った。フィリピンでの遺骨収容は10年10月、「現地人の遺骨が混入していた」とする報道を受けて一時中断。11年6月に鑑定の専門家会議が「日本人の遺骨ではない」と指摘したが、厚労省が同10月にまとめた検証報告書では、取り違えた事実は記載されなかったという。
遺骨の取り違え問題を巡っては現在、弁護士らによる省内の調査チームが検証中で、会議の議事録を精査する過程で発覚した。厚労省の担当者は「信頼を欠く結果になり、おわびする」と謝罪した。
フィリピンから持ち帰った遺骨約1万5000人分は焼骨済みで、厚労省の霊安室で保管している。【梅田啓祐、熊谷豪】