6日午後2時半ごろ、福岡県福津市のJR鹿児島線の東福間駅構内で「軽乗用車が線路に転落した」と119番があった。県警宗像署などによると、車を運転していた同市の男性(70)が病院に搬送された。腰の骨を折るなど重傷だが、意識はあるという。列車との衝突はなく、駅利用者にもけがはなかった。
同署などによると、駅南口のロータリーに進入した軽乗用車が、ロータリーを曲がりきれずにそのまま直進したとみられ、歩道に乗り上げて駐車中のバイクなどをなぎ倒し、柵を突き破ってホームを越え、約7メートル下の線路に転落した。車は上下線の線路を塞ぐ形で止まった。
JR九州は、折尾―博多間の上下線で運転を見合わせたが、午後6時10分ごろ再開。特急、普通列車計74本に運休や遅れが出て、帰宅客など約2万1000人に影響した。
東福間駅前で夫とレストラン「フレンドリー」を経営する山中和子さん(65)は、車が落下する様子を目撃した。「一直線に猛スピードで突っ込み、落ちた時は『ガシャーン』とものすごい音が聞こえた。100キロ以上は出ていたのではないか」と振り返り「ホームに人がおらず、特急が巻き込まれなかったのが救い」と話した。
同駅を通過する予定だった大分発博多行きの特急ソニックは、事故直後に非常ブレーキでホームの端から約30メートル手前でいったん停止した。乗っていた福岡県行橋市の女性(65)によると、電車が止まった後、線路内に車が落下したことを伝えるアナウンスが車内に流れたが、大きな混乱はなかったという。「落下した車を見てきのうの京急の事故が頭をよぎった」と心配そうに話した。【柿崎誠、中里顕】