河川敷で少年が少女に殴る蹴るの暴行を加えるショッキングな動画がネット上に投稿された。警視庁によると、都内の中学2年の男子生徒(13)と、別の中学の同学年の女子生徒(14)という。5月に東京都葛飾区の河川敷で撮影され、女子生徒は暴行を受けたとして警視庁に相談していた。ケガはない。葛飾署や少年事件課が暴行事件として調べている。
動画にはあまりに残忍な暴力が記録されていた。横たわる女子生徒に男子生徒が馬乗りになり頬に平手打ちするシーンから始まる。並ぶと男子生徒の体の方が大きく、腹部を容赦なく踏みつけていた。
周囲には十数人の少年、少女たちの姿もあり、「やり返していいんだよ」「これじゃリンチになっちゃう」「なんかサルがしゃべってる。おもしろーい」とあおり続ける少女らの声も認められる。首を絞められた女子生徒がうめき声を上げると、周囲はまたあざ笑った。約1分20秒の動画は、飛び蹴りを食らわしたところで途切れている。
動画を見たある学校の教師は「イジメではなく、もはや刑事事件。許しがたい」と話すが、一方で「荒れる学校や地域ならあること。特に考えなく撮影して、動画を仲間内でシェアするのもよくある」とも。
動画は明らかな刑事事件の証拠となるだろう。
「仲間のグループLINEで後で見て笑うつもりで撮影したのだろう。それが他者に転送され、流出したのでは。おかげで事件として警察が動きやすかった面もあるだろうが、動画は女子生徒の尊厳を傷つける内容。これ以上の拡散はかわいそう」と前出の教師は話す。
何度転ばされても立ち上がる女子生徒の姿もいじらしい。最近も新学期初日に、電車に身投げして足首を切断した女子中学生のニュースがあったばかり。
「(動画の)彼女が警察に行けたことは本当に立派だと思う。教師に相談してほしいが、頼りない教師もいる。イジメを受けている子は、警察も選択の一つに入れて」と同教師は訴えた。