5日午前10時15分ごろ、東京都中央区の東京メトロ半蔵門線水天宮前駅の入り口に、都内在住の男性(86)が運転する乗用車が突っ込んだ。男性と駅や周辺の利用者にケガはなかった。
男性は近くのホテルの地下駐車場に入ろうとしたが、間違って駅入り口に進んでしまい、階段を2、3段降りた状態で乗用車は止まった。
メトロを運営する東京地下鉄によれば、水天宮前駅の1日平均の乗降人員は8万人。駅名の通り、安産や子授け祈願の名所である神社・水天宮があり、にぎわっている。一歩間違えば、大事故につながりかねなかった。
東京地下鉄広報部は、駅の出入り口に車が侵入する事故について、過去のデータは詳細を確認しないと分からないとした上で「直近1年間ではない」と回答。珍しい“駅突入事故”となった。
引き起こしたのがまたも高齢のドライバーだけに、ネット上では「多分、自動車に乗っていることを忘れて、電車に乗ろうとしたに違いない」「運転するのやめてくれ。特にインフラの整った都内在住の老人たちよ」などと厳しい書き込みが相次いだ。
鉄道会社関係者は「駅の出入り口をホテルの地下駐車場の出入り口と間違うのは、鉄道会社として想定していない。メトロでいえば、首都圏の人にはおなじみである水色の『M』のマークを駅の出入り口に設置している。男性は高齢だから、何かと見間違えてしまったのか」と首をひねる。
この日、横浜市神奈川区の踏切で京急線の快特列車と衝突したトラックの男性運転手(67)が死亡した事故があった。トラックの運送会社の関係者は「男性運転手は道を間違えて踏切に入った可能性がある」と指摘している。
高齢のドライバーによる事故はいつまで繰り返されるのか。