弥生時代前期で最大級の水田跡見つかる 奈良・中西遺跡

奈良県立橿原考古学研究所(橿考研)は20日、弥生時代前期(2500~2400年前)の水田跡が見つかっていた奈良県御所市の中西遺跡と周辺で、確認された水田跡が約4・3ヘクタールに上ったと発表した。同時期の水田の広さとしては全国最大規模で、10ヘクタールを超えた可能性も考えられるという。稲作が日本に伝わって間もない頃に既に大規模水田があったことが示された。
今年4月からの調査で、幅30センチ前後、高さ2~3センチのあぜで区切られた410区画を確認した。面積は約3500平方メートル。中西遺跡と北側にある秋津遺跡では2009年度以降の調査で水田跡が見つかっており、今回の分と合わせると弥生時代前期の水田跡の面積は計4・3ヘクタールに達した。
今回の発見分は弥生時代前期末に水の流路の氾濫でいったん埋まり、その後、部分的に復旧したとみられる。田んぼやあぜには多数の足跡が残り、うち約200個を計測したところ、長さ約15~26センチで平均21センチだった。
周辺の地形などから水田は約10ヘクタールを超えたとも考えられる。これまで、10ヘクタールを超える大規模水田は弥生時代中期以降でのみ確認されている。調査を担当した岡田憲一・指導研究員は「水田跡が予想を超えて広がっていた。田んぼを足で踏んで土を軟らかくしていたのではないか」と話す。
現地説明会は23日午前10時~午後3時。小雨決行。現場は京奈和自動車道(大和御所道路)御所南インターチェンジの東側に位置する。問い合わせは橿考研(0744・24・1101)。【藤原弘】