和歌山市の鉄パイプ落下死亡事故で業者を捜索

和歌山市で12階建てビルの屋上から鉄パイプが落下し、直撃を受けた男性が死亡した事故で、屋上で看板補修工事の足場を撤去していた作業員が「誤ってパイプを落とした」と話していることが20日、捜査関係者への取材で判明した。和歌山県警は作業上のミスが落下の原因とみて調べている。
また、県警は同日、工事を請け負った2業者を業務上過失致死容疑で家宅捜索し、安全管理に問題がなかったか調べている。
捜索を受けたのは、元請け業者の「SIGN TAKASE」(和歌山市加納)と下請けの「ヒロケン」(同市西庄)。県警は工事の契約書類など約20点を押収したという。
県警などによると、現場では15日にも足場撤去中に鉄パイプが落下。作業は一旦中止となり、再発防止策を業者側が提示した上で18日に再開された。19日の事故発生当時、ヒロケンの社長ら計7人が現場にいたといい、県警は関係者への事情聴取も進めている。
事故は19日午前8時20分ごろに発生。重さ約5キロ、長さ1・5メートルの鉄パイプが落下し、路上を歩いていた大阪市中央区谷町6、銀行員、板垣智之さん(26)の頭に当たり、板垣さんは死亡した。【木原真希】