東京都目黒区で2018年3月、船戸結愛(ゆあ)ちゃん(当時5歳)が虐待死した事件で、保護責任者遺棄致死罪に問われた母親の優里被告(27)の裁判員裁判の第4回公判が6日、東京地裁(守下実裁判長)であった。
前日に続いて被告人質問が行われ、優里被告は、同罪などで起訴された夫の雄大被告(34)の虐待について「結果をみれば、容認していたと思う」と語った。
検察側の冒頭陳述によると、結愛ちゃんは同年1月下旬以降、食事を厳しく制限され、雄大被告の暴行も受けた。2月下旬頃にはひどく痩せ、嘔吐(おうと)を繰り返していたたとされる。
午前中の公判では主に検察側が質問。検察官から「死んでしまうとは思わなかったか」と問われると、優里被告は「そうは思わなかったが、心配ではあった」と答えた上で、「『大丈夫』と自分に言い聞かせていた。自分勝手だが、『結愛は治る』と思っていた」などと釈明した。
「体重が減った後も、食事制限をやめなかったのはなぜか」との質問に対しては、「私の責任だが、雄大を恐れていた。食事をあげて雄大を怒らせるより、あげない方が結愛にとってストレスが少ないと思った」と述べた。
弁護側は公判で、優里被告が雄大被告から「心理的ドメスティック・バイオレンス(DV)」を受け、虐待を止められなかったと主張している。