天皇、皇后両陛下は21日夕、即位の礼や大嘗祭(だいじょうさい)を終えたことを伊勢神宮に報告する儀式「神宮に親謁(しんえつ)の儀」に臨むため、三重県伊勢市に入られた。駅や沿道には大勢の市民が訪れ、両陛下は笑顔で手を振って応えた。
22日は皇室が祖とする天照(あまてらす)大神(おおみかみ)に供える食事をつかさどる豊受(とようけの)大神(おおみかみ)が祭られる外宮(げくう)(豊受大神宮(とようけだいじんぐう))、23日は天照大神が祭られる内宮(ないくう)(皇大神宮(こうたいじんぐう))で儀式に臨む。陛下は天皇専用の装束「黄櫨染御袍(こうろぜんのごほう)」を着て、皇位の証しとされる三種の神器のうち剣と璽(じ)(まが玉)を携行する。皇后雅子さまは十二単(ひとえ)姿で臨む。
外宮内、内宮内での移動に陛下は儀装(ぎそう)馬車を使う。皇后さまは車で、雨天でなければ今月10日のパレード「祝賀御列(おんれつ)の儀」で使ったオープンカーに乗る。
平成の代替わり時は、上皇ご夫妻が1990年11月に伊勢神宮で同様の儀式に臨んでいる。【和田武士】