「力強いメッセージを」 ローマ教皇の被爆地訪問にICANも期待

23日から来日するフランシスコ・ローマ教皇は24日に長崎と広島を訪れ核兵器に関するメッセージを発する予定だ。2017年にノーベル賞を受賞した「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)の川崎哲(あきら)・国際運営委員は「核兵器禁止条約に関する力強いメッセージを出してほしい」と教皇の言葉が核保有国や世界にインパクトを与えることに期待している。
「今回の来日の一番の目的は核」と関係者が語るほど、教皇は核廃絶に心を砕いてきた。バチカン市国は17年9月に核兵器禁止条約を初めて批准した3カ国のうちの一つ。同年11月のシンポジウムで、教皇は同条約を歴史的だと評価した上で「核兵器を使用するのと同様に保有することも断固として非難されるべきだ」と核保有が抑止力になるとの考えを明確に批判した。
日本は同条約に賛同していない。ICANは今回の来日に合わせ、ベアトリス・フィン事務局長がバチカンで教皇に一般謁見するなど来日の際に禁止条約に言及するよう働きかけてきた。川崎さんは「核兵器の保有も道徳に反するという教皇の考え方は、被爆者の思いとも符合する。核保有国や日本が重視する核抑止力にどう切り込んでくれるのか」と注目する。【竹内麻子】