かんぽ生命保険の不正販売を扱ったNHK報道に日本郵政が抗議した問題で、日本郵政の鈴木康雄上級副社長がNHKに対し、元総務事務次官として放送法を所管していた自身の経歴を披露しながら、番組のチェック体制に注文を付けていたことが21日、分かった。
郵政側がNHKに送付した一連の抗議文などを国民民主党など野党側が公表。鈴木氏が昨年11月にNHK経営委員会に送付した文書に明記されていた。監督官庁の威光をかさに、NHKに圧力をかける意図が改めて浮かんだ。
文書は日本郵政の抗議でNHK経営委がNHK会長を厳重注意したことに謝意を伝える内容で、鈴木氏がNHK経営委に送付した。鈴木氏はこの中で、謝罪に訪れたNHK放送総局長らとのやりとりに言及。「かつて放送行政に携わった」「NHKのガバナンス強化を目的とする放送法改正案の作成責任者だった」という自身の立場から、放送総局長らに「幹部、経営陣による番組の最終確認」を含む「幅広いガバナンス体制の確立と強化」を求めたことを記していた。
また昨年7月に初めてNHKに送った抗議文では、番組が続編に向けツイッターに公開した情報提供を呼び掛ける動画について、「経営に支障を来す」などとして削除を求めていた。 (鶴加寿子)