ポストは狭き門…内閣改造「入閣待機組リスト」 西村官房副長官や河井克行氏ら起用の声

安倍晋三首相(自民党総裁)は6日、訪問中のロシアから帰国し、11日に断行する内閣改造・党役員人事に向け、調整を本格化する。現在、「衆院当選5回以上、参院当選3回以上」で、閣僚経験のない入閣待機組は約70人とされる。各派閥から初入閣が噂される名前が伝わってくるが、当選回数だけで閣僚になれる時代ではなく、狭き門といえそうだ。
「いろいろ、話をしました」
岸田派を率いる岸田文雄政調会長は4日、官邸で安倍首相と会談後、記者団にこう語った。8月30日にも面会し、同派の金子恭之元国交副大臣(衆院熊本4区)や、葉梨康弘衆院法務委員長(同茨城3区)らの登用を求めたとみられる。
安倍首相の出身派閥である細田派の細田博之会長も4日に官邸で安倍首相と会い、人事の希望を伝えたもようだ。
永田町では、細田派から、西村康稔官房副長官(同兵庫9区)が入閣し、後任の副長官に無派閥の小泉進次郎氏(同神奈川11区)を抜擢(ばってき)するとの見方もある。細田派では、五輪メダリスト、橋本聖子前参院議員会長(比例)を五輪相に推す声もある。
麻生太郎副総理兼財務相率いる麻生派では、田中和徳元財務副大臣(衆院神奈川10区)ら、竹下亘元総務会長の竹下派では、山口泰明党組織運動本部長(同埼玉10区)らの初入閣を目指す。
二階俊博幹事長の二階派では、平沢勝栄元内閣府副大臣(同東京17区)や、谷公一国交委員長(同兵庫5区)の起用がささやかれる。
無派閥では、安倍首相の外交密使を務める河井克行党総裁外交特別補佐(同広島3区)や、菅原一秀元財務副大臣(同東京9区)、江藤拓首相補佐官(同宮崎2区)らの名前が挙がる。河井氏は先の参院選広島選挙区で、妻の河井案里氏が初当選を果たした。
永田町事情通は「昨年の総裁選後の内閣改造は、各派閥に配慮して待機組を多数起用した。今回、安倍首相は悲願の憲法改正を実現するため、閣僚の失言や不祥事リスクを警戒して脇を締めるはずだ。改造方針を『安定と挑戦』と語ったように、再入閣組の多い布陣にするのではないか」と分析している。