宮崎市を拠点に活動する津軽三味線演奏グループ「村上三絃(さんげん)道」2代目家元で、がんの闘病中であることを公表している村上由哲(よしのり)さん(57)=本名・畠山利枝さん=が、宮崎県小林市の栗須小学校で「生かされて生きる」と題して講演した。児童らに「人生にはつらいことも訪れる。気持ちを打ち明けられる誰かを一人持っていて」と呼びかけた。【塩月由香】
村上さんは宮崎市出身。初代家元の父が急逝した1990年、28歳の若さで跡を継いだ。以来、九州、四国、中国地方に門下生を400人以上広げ、県内外の学校で津軽三味線や民謡を教え伝統芸能の普及に努めてきた。
しかし、体中に痛みを感じるようになり今年4月、ステージ4の肺がんと診断された。「治療しなければ余命半年」と告げられたが、投薬で症状は安定。現在は3代目を襲名した長女由宇月さん(27)を支えながら、演奏や講演活動を続けている。
今回は2年前にスクールコンサートで訪れた縁で10月30日、栗須小に招かれた。闘病についての講演は初めてといい児童と保護者ら約200人を前に語った。告知された時の戸惑い、骨への転移、医師の励まし――。「生きるということは必ず何か予期せぬことが起きるかもしれないこと」。そう説いた上で児童に訴えた。「つらいこと、苦しいことも打ち明けられる誰かを一人持っていて。友達の表情を見て『どうしたの?』と気遣える人になってほしい」
「あと半年といわれた命が今もこうやってある。今に感謝しながら頑張っていきたい」と語る村上さんは、今後、がん患者向けのコンサートも開いていくという。