「電光石火」の早業だった。
子連れ女性ばかり狙った35歳“両刀ロリコン”社長の鬼畜手口
2017年8月から18年10月にかけ、全国16都府県のコンビニから計30件、約1000万円の現金を盗んだとして、滋賀県出身の住所不定、無職の野嶋亘平容疑者(36)が4日、常習累犯窃盗の疑いで、大分県警大分中央署に追起訴された。
野嶋容疑者はかつてコンビニでアルバイトをした経験があり、履歴書に偽名と「それらしき住所」を記入し、面接を受けていた。採用が決まるとカウンターに立ち、決まってバイト初日から、他の従業員が目を離したスキにレジやバックヤードにある金庫を開けて現金を抜き取り、そのままポケットに。金額が多い時はレジ袋に入れ、店から出て制服を脱ぎ捨て、騒ぎになる前に現場からトンズラしていた。
「あらかじめ狙いを定めたコンビニの近くに宿を取り、電話で問い合わせたり、直接店舗に行って面接を受けていた。『今日からでも働いてもらえるかな』と頼まれるとすぐにシフトに入り、あっという間に目的を完遂する。“仕事”を終えると躊躇することなく、その場を立ち去っていたため、従業員とやりとりすることはほとんどなかった」(捜査事情通)
県内で事件が2度発生したため、大分中央署刑事第1課が注意喚起の手配書を県内に配布し、網を張った。
そんな事情を何も知らない野嶋容疑者は18年10月30日、市内のコンビニ店を訪れ、面接を終えた店の担当者から警察に「午後3時からシフトに入ります」という連絡があった。警察官が現場で待ち伏せし、のこのこと現れた野嶋容疑者の身柄をその場で確保。野嶋容疑者は過去10年の間に、同様の手口で3回、逮捕されていた。
「ニコニコしていて、パッと見はそんなことをするようには思えない。犯行に及んだ店は出身地の滋賀を含む関西、福岡が多かった。30件のうち一番被害が少なかったのは神奈川の5万円で、最多は滋賀の127万9000円です。月2回か3回のペースで犯行を重ねていましたが、さすがに滋賀で大金をせしめた時は、次の犯行まで3カ月近く間隔が空いた。懐に余裕があったのでしょう。以前からマジメに住居を構えようという気はサラサラなく、奪った金は遊興費と生活費、次の犯行資金に充てていた。ただギャンブルはせず、酒もあまり飲まず、堅実なところもあった。移動はもっぱら公共交通機関を利用し、ビジネスホテルに泊まり、日本各地を転々としていた」(前出の捜査事情通)