千葉県野田市の小学4年、栗原心愛(みあ)さん(当時10歳)が1月に親から虐待され死亡した事件を巡り、専門家による県の検証委員会が25日、森田健作知事に報告書を提出した。32項目に及ぶ県柏児童相談所や野田市の問題点を挙げて「リスク判断が不十分なまま一時保護が解除されるなど漫然と推移した末に痛ましい結果を招いた」と非難。「(虐待を)勇気を持って訴えた女児はなんとしても守られるべきだったし、救える命だった」と結論付けた。
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千葉県柏児童相談所はなぜ虐待のリスクを低く見て、女児を父親の元に帰してしまったのか。25日に提出された検証委員会の報告書からは、現場職員がどのような議論や検討をへて結論を出したか、プロセスの詳細を知ることはできなかった。
児相は2018年2月、一時保護解除後に父方の祖父宅で暮らしていた女児を自宅へ戻すことを了承した。
父親は解除後、女児が虐待を訴えたアンケートを見せるように学校側に迫るなど威圧的な態度を見せるようになっていた。児相に対しても「お父さんにたたかれたのはうそ」などと女児に書かせた手紙を見せた上で、「家庭をひっかき回すなら職員を名誉毀損(きそん)で訴える」と女児の帰宅を迫った。
児相が威圧的な親の主張を拒めず、言いなりになっていた可能性があり、報告書も「父親の発言と行動は事実上黙認されていた」と指摘した。だが、なぜそのような対応に至ったか、再発防止に欠かせない検証内容は示されていない。これらの点について検証委の川崎二三彦委員長は「記憶が曖昧な人もおり十分とは思わない」と調査の限界を認める。
NPO法人・児童虐待防止協会の津崎哲郎理事長は今回の児相の対応について「専門性もなく体制も不十分だ」と厳しく批判している。【町野幸】