75歳以上の医療費負担、原則1割から2割に引き上げ検討

政府は、75歳以上の後期高齢者の医療費の自己負担を原則1割から2割へ引き上げる検討に入る。財務省や政府の「全世代型社会保障検討会議」(議長・安倍晋三首相)を中心に導入を求める意見が強まっていた。政府は早ければ2022年度からの導入も視野に入れるが、高齢者の負担増となるため、与党と実施時期を含めた調整に入る。
公的医療保険制度では現役世代の自己負担割合は3割。08年に後期高齢者医療制度が導入されたのに伴い、70~74歳は原則2割、75歳以上は原則1割(現役並み所得者は3割)を窓口で払う仕組みとなっている。
22年以降、人口の多い団塊の世代(1947~49年生まれ)が75歳になり始め、社会保障費の急増が見込まれる。このため、財務相の諮問機関「財政制度等審議会」は2割への引き上げを提言。26日の検討会議でも、経済界が中心の民間委員の大半や麻生太郎財務相らが低所得者に配慮した上での引き上げに賛同した。
これを受け、厚生労働省を中心に制度改正の検討に入る。すでに75歳以上の人の1割負担は従来通り据え置く一方、制度の改正以降、75歳に到達する人の2割負担を維持する案を軸に検討が進むとみられる。また低所得者は1割に据え置くといった措置も議論する。
厚労省は年明け以降、厚労相の諮問機関「社会保障審議会」で議論する構えだ。しかし、政府の検討会議は12月にまとめる中間報告に方向性を盛り込むよう求めており、調整は難航しそうだ。【村田拓也、原田啓之】