福岡県田川市で昨年11月下旬、1歳4カ月の三男にエアガンを撃ち、けがをさせたとして両親が傷害容疑で逮捕された事件で、県警は27日、保護責任者遺棄致死容疑で両親を再逮捕した。県警は三男が長期間の虐待で衰弱した末に同12月1日に肺炎で死亡したとみており、11月下旬から高熱などの初期症状があったにもかかわらず診療を受けさせなかった両親の刑事責任を問えると判断した。
再逮捕されたのは、父親で同市伊加利(いかり)の土木業、常慶(じょうけい)雅則(24)と母親で無職の藍(24)の両容疑者。容疑は共謀し、昨年9月上旬ごろから同12月1日まで、三男の唯雅(ゆいが)ちゃんに医師による専門的な診療を受けさせず、自宅に置き去りにして外出するなどし、重度の低栄養状態に基づく肺炎による急性呼吸不全で死亡させたとしている。
県警によると、唯雅ちゃんの死亡時の体重は6キロ未満で、同年齢の平均体重(10キロ程度)を大きく下回っていた。また、司法解剖などの結果、9月上旬以降にできたとみられる複数の骨折の痕が見つかったことも明らかにした。県警は両親が十分な食事を与えず、エアガン以外の方法でも暴行していた可能性があるとみて追及する。
再逮捕容疑について、雅則容疑者は11月ごろに唯雅ちゃんを自宅に置き去りにしたまま藍容疑者らと複数回外出したことは認めた上で「骨折や低栄養は分からなかったので病院に連れて行かなかった」と否認した。藍容疑者は黙秘しているが、捜査関係者によると、任意の捜査段階では「ご飯は食べさせていた。亡くなる直前まで異常はなかった」と話したという。
県警によると、両容疑者は生後8カ月の昨年3月ごろまでは病院で予防接種などを受けさせていたが、その時点での体重は正常だった。その後、虐待がエスカレートした可能性もある。
事件は昨年12月1日未明、藍容疑者が「息子が心肺停止状態です」と119番。唯雅ちゃんは搬送先で死亡が確認され、その際、全身にエアガンのBB弾などによるとみられるあざが数十カ所見つかったことで発覚した。県警は両容疑者が虐待の発覚を恐れ、少なくとも9月以降は医療機関に受診させなくなったとみている。
一方、福岡地検は27日、両容疑者のエアガン発射による傷害容疑について処分保留とした。捜査関係者などによると、4歳の長男が「パパが撃った」と説明しているが、両容疑者とも認めていない。【柿崎誠、宗岡敬介】