女川原発2号機、規制基準に適合 原子力規制委 事実上の「合格証」

東北電力女川原発2号機(宮城県、出力82・5万キロワット)の再稼働について、原子力規制委員会は27日の定例会で、安全対策がされ国の新規制基準に適合しているとする審査書案を了承した。2号機は、事実上の「合格証」を得たことになる。2011年の東日本大震災で被災した原発では、日本原子力発電の東海第2(茨城県)に次いで2基目。東北電では初めて。
女川原発は東日本の原発の中で最も震災の震源に近く、最大で13メートルの津波が押し寄せた。当時、14・8メートルの高台にあったため、東京電力福島第1原発のように津波で原子炉の冷却機能が失われることはなかったが、発電で発生した熱を冷やす海水を取り込むための取水路などを通じて、敷地内に海水が流入。原子炉建屋の地下が浸水したほか、原子炉建屋の壁1130カ所にひびが入った。
東北電は再稼働に向け、13年12月に2号機の安全審査を申請。想定する最大の地震の揺れ(基準地震動)を、震災前の580ガル(ガルは加速度の単位)から1000ガルに引き上げ耐震性を強化するなど、安全対策を実施してきた。
ただ、最大23・1メートルと見込んだ津波に備えようと、海面からの高さ約29メートルの防潮堤建設に伴う地盤工事をした結果、敷地内に地下水がたまり液状化が起きやすくなるなど、複数の課題があった。これらの解消に向け、対策工事の効果が十分あるか確認するのに時間がかかり、規制委の審査に6年かかった。
審査書案は今後、意見公募(パブリックコメント)などを経る。その後、規制委が審査書を正式に決定すれば、安全審査に合格したことになる。合格すれば、東電福島第1原発と同じ「沸騰水型」としては、東電柏崎刈羽6、7号機(新潟県)、東海第2に続いて3例目。再稼働は地元同意の上、対策工事が終わる見通しの20年度より後になる。
これまで再稼働に合格したのは8原発の15基。うち再稼働したのは、定期検査中も含めて5原発の9基になる。【荒木涼子】